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潰瘍性大腸炎(UC)

潰瘍性大腸炎(UC)とは何らかの原因によって、腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。
腸に起こる炎症ですから、下痢や粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)、発熱や体重減少などの症状があらわれます。

大腸疾患診断の新しい考え方

潰瘍性大腸炎を専門的に担当することになって約20年経ちました。
病気自体の発症の仕方や、経過、病名は同じですが、ずいぶんと変化してきました。以前は、劇症型といわれる大量下血を主訴として発症して来る方がたまにありましたが、現在は軽い下痢や下血から次第に発症して来るタイプの方がほとんどで、特定の1日数十回におよぶ下痢や、下血で発症する方はほとんどいませ ん。病気自体が時代と共に変化してきているのだと思います。また、この10年でずいぶん新しいことがわかりました。

虫垂炎との関係

その第一は、潰瘍性大腸炎が虫垂炎と大きく関係していることでした。
アンケート調査により、潰瘍性大腸炎を発症している人で、虫垂切除を受けている人は、 ほとんどいないということがわかりました。私どもでも8年前の調査で、アンケートに協力して頂いた潰瘍性大腸炎の患者さん134人のうち、虫垂炎を切除し ていたのは1人だけで、それも病気が発症した後のことでした。虫垂切除は、潰瘍性大腸炎の予防になるということがわかったのです。
長崎大学の牧山先生を中心に私達も協力して、イギリスのオックスフォード大学の中に研究班が作られ、世界からデーターを集めた結果、潰瘍性大腸炎の方の子 供に潰瘍性大腸炎が出てくるのを虫垂切除によって予防することが出来る可能性が非常に高いことが発見されました。
潰瘍性大腸炎は、それ自体が遺伝する病気ではないのですが、体質が似ている親子では発症しやすいのです。ただし、虫垂切除(予防的)は、16歳までに行う のが効果的ということもわかってきました。また、病気が発症した方でも若いとき(17歳くらい)に虫垂切除をすると治療に役立つこともわかりました。年を 取った方が治療目的で虫垂切除をすることはあまり勧められません(有効性が薄い)。

第二の発見、白血球除去療法

第二の発見は、白血球除去療法という治療方法の出現です。白血球除去療法は画期的なもので、今までの西洋医学の考え方が変わるとまでいわれています。ペンタサやステロイドのように直接炎症をおさえるのではなく、悪循環を断ち切って、後は自分の免疫力による回復を待つのです。私の所でもこの治療法を行って以 来、170人の患者さんのステロイドの使用量は以前の3分の1以下になりました。ペンタサも全くいらなくなった人が23人もいます。
その他では発売はまだですが、クローン病に対する鞭虫卵を利用した薬が開発され、CDAI(平均)296の29人のテストで24週後79%が改善。72%は緩解に入っているという薬が開発されテストされています。

当クリニックでは、白血球除去療法も全て外来で治療しています。
多忙で入院出来ない方はご相談下さい。
(当クリニックの施設が平成6年に出来てからここで診察させて頂いた方は236人で現在通院している方は168人です)

>> 白血球除去療法についてはこちら

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