HOME > 大腸疾患の治療について > 潰瘍性大腸炎(UC)> 白血球除去療法 > LCAP療法症例報告

LCAP療法症例報告

 

L-CAP療法症例報告

潰瘍性大腸炎に合併した関節炎に対するLCAP療法。

【症例】
メサラジンおよびステロイドによる維持治療中に再燃、膝の激しい痛みと腫脹が出現

平成11年12月までは、サラゾピリン投与のみで安定していたが、風邪を契機に悪化した。ステロイド(プレドニン)30mgで 緩解へ向かうが、ステロイドを15mgまで減量すると再び悪化。12年3月までには、ステロイド40mgにても下血と下痢(8~10回/日)がとまらない ため、入院にてGCAPを実施した。6月15日には内視鏡的にも治癒したが、3ヶ月後の9月5日に再燃。ステロイド40mg(内服)、ステロネマ (50)2本/日改善傾向が見られたものの、ステロイドを20mgに減量すると再燃したため、12月15日に再入院し、再びGCAPを実施した。翌年1月 21日に退院した後、メサラジン(ペンタサ9T)のみで維持していたが、5ヶ月後の13年6月5日に突然、関節痛(両膝)が出現し、少量の下痢、下血(1 日2回)があった。近医にて鎮痛剤を内服していたが、6月19日、膝の激しい痛みと腫脹のため、当院整形外科に入院した。

【臨床経過】
ステロイド無効のためLCAPを施行し、関節炎も消失して、緩解導入


LCAP治療前(H13.6.19)

LCAP治療後(H13.11.28)

10年間にわたって再燃、緩解を繰り返しており、GCAPにもよく反応しているが2度とも3~5ヶ月に再燃していた。今回は関 節炎が主訴であり、整形外科的には骨壊死等はなく、関節の著明な水腫のみが認められ、膝の腫れは膝周囲54cm(通常29cmに対して)までなっていた。 心。腎、甲状腺などの異常は認められず、潰瘍性大腸炎による関節炎と診断された。ステロイド60mgに反応なく、また著明な貧血にもかかわらず、血小板が 異常に上昇しており、血小板の除去を目的としてLCAP療法を施行した。また、この際に全血輸血800ml行った、LCAP1回終了後で44cm、3回終 了後では、もとの29cmにもどり、痛み、浮腫ともに完全に消失した。また大腸内視鏡所見でも改善が認められ、緩解導入となり、6月30日に退院となっ た。
本症例は、潰瘍性大腸炎で両膝関節痛が出現し、ステロイドでの効果が認められず、LCAP療法の施行により緩解導入ができ、その後3年間完全緩解、無治療にて経過している著効例である。

Copyright (C) 2012 FUJIYOSHI CLINIC All .Rights Reserved.